野菜ソムリエ 藤田が行く!

本日訪れたのは、「一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会」(http://www.vege-fru.com/)。(以下、協会)

協会では「野菜ソムリエ」という野菜・果物のスペシャリストの育成・認定を通じて、
野菜・果物という「食」を通じた感動を世の中に広め、生活者の方々が日々の食生活を楽しめる環境を創造するとともに、
生産・流通・販売も含めた農業全体の活性化を目指しています。
今年で設立11年目。野菜ソムリエの数は4万人を超えており、注目がますます高まっています。

私も、農家であるとともに野菜ソムリエでもあります。

現在、原発事故によって人々の「食」に対する考え方が大きく混乱しています。
そういった混乱の中で、協会としての考え・活動・今後について、専務理事の細田 俊二さんにお話を伺いました。


(動画:約10分)

 

被災地支援活動

協会は、今回の東日本大震災を受けて被災地支援活動もおこなっており、まずはその点について伺いました。

野菜ソムリエは東北6県にも2,000名ほどおり、まずはその安否の確認を行ったうえで、
特に被害の大きかった岩手・宮城・福島の3県について協会としてどのようなサポートができるかを悩まれたとのこと。

取り得る対応として、赤十字社に対する義援金を募るとともに、
全国のネットワークを生かして食材を調達し実際に炊き出しを行いました。

震災から数か月後には、全国各地において「復興マルシェ」という形で被災地農業の支援が盛り上がる中、
生産者が復旧と生産活動に専念してもらえるよう「食の伝道師 野菜ソムリエ」として企画や販売の支援を行われたとのことです。

まさに「食」に携わるものとしてのサポートですね。

 

食の安全性

被災県の中でも、特に福島県は原発事故という特殊な環境下にあり、
食の安全性が侵害されているという中で、協会としての考え方をお聞きしました。

野菜・果物の魅力や楽しさを伝えるのが野菜ソムリエの大きな役割だった中、
原発事故による問題が顕在化したのちは、前段階としてその野菜・果物は本当に安全なのか?
放射性物質とはなんなのか?そういったことを知り・伝える必要性に迫られました。

協会として野菜ソムリエは安全を訴えるという形で安全を担保するのではなく、
正しい知識を学び理解しお伝えすることによって生活者の方に食に対する不安を和らげる、
という役割を担うという考えを取っています。

協会は、その一助とすべく新たに「食の安全検定」を実施しているそうです。
http://safetyfood.vege-fru.com/contents/hp0015/index.php?No=6&CNo=15

食材を手に取る上での選択肢はあくまでも生活者の方の意思に委ねられるものであり、
野菜ソムリエはそのための情報を提供する立場であるともおっしゃっていました。
これは福島県の農に携わる者に必要な考え方と同じであるとともに、生活者の方々に求められていることだと感じました。

続けて細田さんは、生活者の方の中には福島県産の農作物を積極的に応援する方と、
理屈抜きに手に取ることが出来ないという方たちがいるが、
それ以上にその時の状況などに応じて買うか買わないかを決める方が最も多いと指摘されました。

残念ながら現状は福島県産と他県産の物が並んでいれば後者を手に取る方が多いだろけれども、
その最も多い方々に向けて、安全性が確保されていることは大前提として、
正確な情報・知識、安全を確保するための活動などを分かりやすくお伝えすることが、
今後の福島県の農林水産物を手に取ってもらうために重要だともおっしゃいました。

 

情報の発信

その上で、単に安全に関する情報をお伝えするだけではなく、そこで生産している農業者の想いや活動を取り上げるなど、
その情報発信の仕方も良く考えた方が良いとおっしゃると共に、
そもそもの前提として「おいしい」ものでなければ手に取ってもらえないことを忘れてはならないと指摘されました。

まさにご指摘の通りで、どうしても放射性物質の問題ばかりにとらわれがちな今、
味を含めた農作物の品質の向上ということをおろそかにしては本末転倒であるということですね。

細田さんは、原発事故後、多くの方々にとって食卓を囲むことが楽しみから不安に変わってしまったとおっしゃいました。

野菜ソムリエに限らず食に携わる者は、その不安を再び楽しみに戻すためにも、
どの情報を受け取ったらいいのかという選別能力を身につけ、
生活者に分かりやすくお伝えすることによって、分からないことを一つ一つ解消していくことが求められていると話されました。

そして出来うるならば、県外の生活者の皆さんに福島県に訪れていただく、
或いは知ってもらう機会をつくることによって、福島県のファンを増やしていくことが大事なのではないかともお話されました。

そういったことを通じて体験・経験してもらうと、それ以前の福島に対する想いが大きく変化するし、
その体験・経験を情報発信してもらうことは、現地の人間による情報発信とはまた違った良い影響をもたらすともおっしゃいました。

 

いまこそ「食」を見つめ直そう

細田さんは最後に、震災・原発事故を受けて人々の「食」に対する意識は大きく変化しており、
その大切さが改めて見直されているとおっしゃいました。

野菜ソムリエはそのことをお伝えしていく「食」の語り部となるのです。

震災・原発事故は多大な悪影響を及ぼした大参事であるとともに、「食」の根幹を揺るがしました。
しかし、いまこそ「食」を見つめ直す絶好の機会である、ということを強く認識した対談となりました。


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