おいしい ふくしま物語

そば

2013年10月23日

“芸術の秋”と申しますが、山々が徐々に色付き艶やかな紅葉を見るにつけ、まさにその言葉に相応しい季節と言えます。
さりとて、そのような文化的すがすがしさを感じつつも、もたげてくるのが“食欲の秋”という人間の本能と言える言葉。
この季節が来るとあの独特の香ばしい香りを思い出してしまうのです、そう「新そば」の。
 
福島県は全国有数のそばの産地。またそれぞれの地域に独自のそば文化を有し、そして数多くの個性的な蕎麦屋が県内各地に店を構える、まさに“そば処”です。
 
福島県のそばの歴史は非常に古くから紡がれており、猪苗代町では平安時代後期から鎌倉時代にかけての古代そばが出土するほど、人々の暮らしに深く結びついていました。

“独自のそば文化”が各地に存在

県内のそば生産の中心地である会津地方。
そばというと「コメが生産できない寒冷地での代替作物」と思いがちですが、むしろ会津地方の一部では「ハレの日のごちそう」としてそばが食べられてきました。
その代表的な食べ方が「祝言(しゅうげん)そば」。祝言とは結婚式のことで、山鳥、ごぼう、葱などを添えた手打ちのそばを客人に「そば口上」にのせ振る舞います。今もそのおもてなし文化が受け継がれています。

祝言そば
祝言そば

また、信州高遠藩主保科正之公の会津藩への転封に伴いそばの打ち方・食べ方が伝わった“高遠そば”や、そばの生地を何枚も重ね菜切り包丁で裁つ檜枝岐(ひのえまた)村の“裁ちそば”、そばつゆではなく“水”につけてそのままのそばの甘さや香りを味わう耶麻郡(やまぐん)山都(やまと)町の“みずそば”などなど、非常にバラエティ豊富です。

裁ちそばを切る様子
裁ちそばを切る様子

会津地方だけではありません。県南の白河地方は、信州(戸隠そば)、出雲(出雲そば)、盛岡(わんこそば)と並ぶ「日本四大そば処」と言われています。
時の白河藩主、松平定信公が冷害時でも収穫できるそばの栽培を奨励したのが始まりと言われており、白河市内には数多くの老舗蕎麦屋があります。
 
このように、福島県は県内を巡るだけで様々なそばを堪能することが出来る、そば好きにとってはまさに天国のような場所なのです。

福島自慢の新品種!

そして“そば処”福島県が満を持して平成21年3月16日に品種登録を実現させたのが、そばの新品種“会津のかおり”。

会津のかおり

この品種、実は人の手による品種改良を行っていません。なぜなら、福島県でもともと栽培されていたそばの在来種のレベルが極めて高かったからです。
その在来種の雄たちの中から、プロが吟味に吟味を重ね選抜された品種が、誉れある“会津のかおり”の称号を得たのです。
まさに福島県のそばの歴史の結晶が“会津のかおり”なのです。
 
→ 福島県Webサイト内 農業振興課研究技術室HP「会津のかおり」のプロフィール(PDF)
 
このように、優れた品種と各地の特色ある調理文化が多彩な福島のそば。その薫り高さ、バリエーションの豊富さをぜひお楽しみください!

(記事:コッシー情報員)


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