野菜ソムリエ 藤田が行く!

学校法人山口学園ECC国際外語専門学校ホテル観光学科

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震災後、全国の多くの皆様から御支援を頂いてきた福島県。その中には、学生という若い方々の力添えもあり、福島県の大きな支えとなってきました。
 
大阪府にある、学校法人山口学園ECC国際外語専門学校 ホテル観光学科の皆さんの取組みもその一つです。2年間の学びの集大成・卒業制作として一週間限定で学内カフェを運営し、その売上金を福島県に全額寄付するというもので、震災年の平成23年度から活動されてきました。
 
特徴的なのは、単に寄付という形にとどまらず「ふくしま観光復興支援視察」として実際に福島県を訪れ、観光について学ぶ身として、見て・聞いて・体感しているという点です。
また、カフェ開設中には、写真や資料とともに“自らの体験した福島”についてパネルが展示され、さらに福島県の物産品も販売されるなど、情報発信についても精力的に取り組んでいます
 
4代目となる「Café Rapport カフェ・ラポール」を運営している、学校法人山口学園ECC国際外語専門学校ホテル観光学科2年生のみなさんにお話をうかがいました。

 
今回はその2です。
その1 カフェが4代続くということ                 (2015年3月30日公開)
その2 Rapport(ラポール) つながるということ         (2015年3月31日公開)
 

ふくしまの今を情報発信

夏休み期間に「ふくしま観光復興支援視察」として福島県を訪れた皆さん。すでに先輩たちが福島県を訪れているとあって大きな不安は無かったようですが、実際に見るふくしまの様子は大きなインパクトとなったようです。
 
「福島に到着するまではちょっと心配だな・・・という気持ちは少しありました。しかし、福島駅周辺は普通の町という状態で、“完全に復興している?”と思いました。」
 

確かに驚いたのでしょう。福島県内では普通の生活を取り戻しているところもあるというのはかなりのギャップとして見えるのでしょう。

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「ただ、その後、南相馬市の小高を訪れた際は…3年以上経っている今も、崩れた家や放置された車が、地震と津波の被害が、その時のそのままの状況で人は誰もいなくて、怖かったです。福島の状況はひとくちには言い表せないことを知りました。」
 
このことを知ってもらえただけでも皆さんに福島に来ていただいて良かった、そう思いました。どうしても、復興に向かって力強く前に進んでいる姿か、悲惨な状況がいまだ続いているという姿か、両極端な情報・インパクトがある情報がとりあげられがちです。
しかし、福島県の現状はそういった視点だけでは決して表すことができない、“ひとくちには言えない”様々な姿が県内各地にあるのです。

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そのような複雑な状況を抱える姿を知った一方で、
「除染情報プラザで福島県の放射性物質対策の状況を知ることができましたし、農林水産物がしっかり検査されていることも知ることができました。
米の全量全袋検査について教えて頂いた際には“本当に全部検査しているんだ。この安全・安心にかける想いはすごい…!”そう思いました。
そのことを私たちは知りましたし、納得しました。このことを、福島県の状況や食べ物について心配されている方達に伝えていきたいと思います。」

福島県の旅館業の方に、震災時の状況やその際に得られた心構えや、風評による苦労とその克服に向かう想いを聞いたり、生産者の苦悩や努力、ひたむきな取組みを聞いたりするなど様々な人に会い様々な経験をした「ふくしま観光復興支援視察」だったそうです。
 
「ここで得られた“ふくしまの今”を情報発信していくのが私たちの役目・復興支援」との熱い想いを話してくださった皆さんに、敬意と感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

キビタン!

後日、オープンした「Café Rapport カフェ・ラポール」を訪れた際、実際のホテルのカフェと見紛う内装と皆さんの振る舞い、サービスに驚きました。
そこには2年間の学びの集大成・卒業制作として何としてでも良いものにしたいという想いとともに、少しでも多く福島県に寄付したい・福島のことをもっと多くの方に知ってもらいたいとの想いが伝わってきました。
それは、カフェとは別のスペースに設けられた福島県紹介ブースにも現れていました。福島県が実施している米の全量全袋検査を始めとした、綿密な放射性物質対策のパネルや、
福島県の四季おりおりの写真や各地の魅力、特産品情報などが所狭しと飾られていたのです!
その展示物についてお客様に尋ねられた際にも皆さんは、福島で実際に見て体験したことを踏まえながら丁寧に説明していました。
 
そのようなコミュニケーションもあって、物産販売コーナーに準備された福島県産のリンゴやお米は飛ぶように売れていきます。本当に頼もしく思いました。
 
学生さんの保護者の方にお会いする機会があり、お話をうかがうことができました。
 
最初福島県に行くと言ったときは心配したということ。でも先輩たちも行っているから大丈夫ということで行かせてみたこと。そして福島から帰ってきたとき、私たちが知らなかった福島のことをたくさん教えてくれたこと。
自分は福島県について特別な理由もなく漠然と不安を持っていたが、子供が教えてくれてその不安がやわらいでいったことなどを話してくださいました。

この話をうかがった時、一人の人が見て体験したことは単にその一人にとって福島県につながるというだけではなく、多くの方と福島県とのつながりとなっていくのだと感じ、皆さんの取り組みがどれほど福島の助けとなっているか、支えとなっているかを思うと胸が熱くなり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 
この取組みはECC国際外語専門学校内をはじめ、この地域の多くの方々・企業から共感され、それのつながりはますます広まっているそうです。

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“Rapport”とは“つながる”という意味だそうです。最初はほんの少しのつながりだったかもしれませんが、そのつながりはいつの間にか多くのつながりを生み出していたのです。
 
この「Café Rapport カフェ・ラポール」の取り組みは“福島県からもういいよ大丈夫だよ、と言っていただける日まで続ける”ということだそうです。
“復興支援という意味ではそうかもしれないけど、せっかく福島県と素晴らしいつながりができたのだからその先をぜひ考えてほしい”とお伝えしました。
 
しかしそれは杞憂だったといえるでしょう。「Café Rapport カフェ・ラポール」へおいで下さったお客様をお出迎えした福島県のゆるキャラを見たお子さんが一声、
「キビタン!」と叫んでいました。大阪のお子さんがキビタンを知っているなんて…!
この元気で可愛らしい声を聞いたとき、このつながりが末永くより素敵な形で続いていくと確信しました。

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