野菜ソムリエ 藤田が行く!

中藪浩治さん

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日本は瑞穂の国とも言われます。福島県は全国有数の米の産地。質量ともに高い評価を得てきた地域です。
しかしながら東日本大震災とそれに伴う原発事故によって、生産がままならない地域も出たうえ、たとえ生産ができ検査で問題が出なくとも風評の影響を受けるなど、福島県の米は厳しい状況に置かれました。
 
その痛手を克服すべく生産現場における放射性物質対策を徹底し、県内外の有識者の方々のお力添えを得ることによって、ついに26年度産米は全量全袋検査で基準値越えゼロを達成することができました。
 
そしてそこには、震災後も相互の信頼関係の下、福島県産のお米を取り扱ってくださる流通関係の方々のご協力がありました。
 
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関西近隣の地域で福島県の“JA会津みどり”管内で生産されたお米を取り扱う米穀店の集まり、「とろっぺ会」さんもその中のひとつ。
 
今回は、震災後も変わらず福島県産のお米を取り扱い続けた、とろっぺ会会員の駒田米穀店 中藪浩治さんに、お話を伺いました。

 
2回に渡ってお届けします。
その1 店を閉めてもいいと思っていた               (2015年3月17日公開)
その2 人間関係への信頼                     (2015年3月18日公開)
 

“とろっペ会”とは

「とろっぺ会」は関西近隣で福島県の“JA会津みどり”管内の米を取り扱う米穀店の集まりです。“とろっぺ”とは会津弁で“集まる・集う”の意味。
12店舗で活動しています。
「お米を商品として取り扱うだけではなく、10年以上前から田植えや稲刈りの時期に産地におうかがいし、産地からもこちらにお越しいただくなど、親睦を深めてきたんです。」
 
と中藪さん。そういった関係性はもちろん、福島の米の品質に魅了されたと仰います。

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福島県の米はナンバーワンだと思う

「福島県の米はナンバーワンだと思います。お米は農産物ですから年や地域が変わることによっていいもの悪いものがあります。ですが、福島県産の玄米はその良いときと悪いときの差が非常に少ない。凄く安定している。常に美味しいお米が届くんです。」
 
と絶賛。米農家である私もなんだか嬉しくなってしまいました。

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しかし東日本大震災の影響はかなり深刻でした。
 
「私の所から買うのをおやめになってよそに行く方もいらっしゃいました。特にお子さんがいるところは難しい。売上は10〜20%は下がったでしょうか。
そして、業務用に以前と変わらずお使いいただいていたところでも『福島県産という事が見つかると心無い人からの誹謗中傷を受けかねないので、隠れて持ってきてください』と言われたこともあります。」
 
そう悔しさをにじませる中藪さん。そういった困難の中、一つの転機が訪れます。
 
「福島県産の取り扱いをやめた方が良いという声もありました。実際に数件の米穀店が残念ながらとろっぺ会から離脱しました。
そんな私も今後どうしようか悩んでいたその時、福島大学の小山准教授(現 教授)のお話を大阪で聞く機会がありました。
その時、いかに福島県はしっかりと検査をしているのか、そして基準値越えが出た時でも、隠さずに出たものは出たとして真摯に情報発信しているのかを知ることができたんです。」

福島県と関係団体、そして生産者が一丸となって行ってきた安全性の確認作業と情報発信がちゃんと届いているのです。
福島県の検査体制の現状とその対応を確認することができた中藪さんは、覚悟を決めます。
 
「福島県産米を扱っていることを前面に押し出すことにしました。その結果ダメでも仕方がない、店を閉めてもいい、そう考えました。」

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次回、人間関係への信頼 は3月18日にお届けいたします。


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