の首都圏つながりコラム

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ふくしまの想いをのせて 福島県 × ABC Cooking Studio

2013年3月15日

震災・原発事故から2年の月日が経ちました。
この間、福島県の農家はそれまで以上に安全・安心な農作物を作り出す努力を重ねてきました。
どの生産者も体験したことのない苦境でしたが、みな一歩一歩着実に前進してきました。
 
その甲斐あって、農産物の出荷量は一時に比べてだいぶ回復してきました。
しかし、風評は完全に払拭されたわけではありません。
 
そこで、福島県の食材のよさをもっと知ってもらうために、
福島県が主催して首都圏の消費者のみなさんに選りすぐりの県産農産物を振る舞おうというイベントが
3月1日(金)に東京、丸の内で開催されました。
題して「ふくしまの想いをのせて 福島県×ABC Cooking Studio」。
福島県の旬の食材を使ってABCクッキングスタジオがオリジナルメニューを開発しました。
 
 
 
会場となったABC 丸の内グラウンドは、全国にスタジオと生徒を抱えるABCクッキングスタジオの本拠地。
開場の時間がくると、続々と参加者の皆さんが集まってきます。


受付の後方には福島県産のお米「天のつぶ」やいちごが

受付前の起き上がり小法師は、へこたれない福島の象徴!

午後7時15分、いよいよイベント開始。
元NHKキャスターの村松真貴子さんの司会でスタートしました。


司会の村松真貴子さん。ふくしまの強力なサポーターです

まずは主催者を代表して、福島県の職員から参加者の皆さんに、農林水産物のモニタリングの結果が毎日、「ふくしま 新発売。」のサイトで公表されていることや、米の全量全袋検査の実態について説明がありました。


福島県農産物流通課の吉田課長が安全・安心の取組みを説明

「福島県で生産されるお米はおよそ1200万袋ありますが、そのほぼ全量の検査が終了しています。
その結果、99.999%のお米が安全だと確認されました。
残念ながら1200万袋以上の検査をした結果、出荷できないお米が71袋見つかりましたが、
このことをわれわれは
『福島県はしっかり検査することによって100ベクレルの基準値を超えるお米を発見できる体制が整った』
と受け止めています。」と説明する吉田課長。
 
福島県全体で行われている安全・安心への細やかな取組みを知って、
参加者の方々は福島県の農産物への信頼感をいっそう強めてくれていたようです。


モニターを使って熱心な説明が続きます

参加者の皆さんも真剣に聞き入っています
テーブルの上には、会津金山町の天然炭酸水「aQaizu」と田村市の「あぶくまの天然水」が

 
続いては、この季節ならではの作物、会津地方で育てられている「雪下野菜」の紹介です。
夏や秋に植え、育てた野菜を冬になっても収穫せず、雪の下でじっくり時間をかけて育てたのがこの雪下野菜です。
雪の下で寒さに耐えた野菜は、普通の育て方をしたものよりも甘みが強くなります。
 
この雪下野菜を扱う丸果会津青果株式会社の舟窪満常務が、その特長について説明を始めると同時に、
生の人参と、同じく生と蒸したキャベツが参加者の皆さんに配られました。
首都圏ではなかなかお目にかかれないものですが、
口にした方々からは「キャベツが芯まで甘い」「人参の甘みが感じられる」と驚きの声が上がりました。


丸果会津青果の舟窪さん。雪下野菜の美味しさを紹介してくれました

茹でただけのキャベツや人参、生キャベツにいっせいに手が伸びます

雪下野菜に「人参が甘い」「キャベツの芯が甘い」と絶賛の声が続々

 
このイベントは、福島県の自慢の食材を堪能してもらうとともに、各家庭でも継続的に味わってもらうことも目的の一つ。
そこで雪下野菜を試食していただいた後は、ABCクッキングスタジオの専属講師・安河内美由紀さんによる、この日のメニューのデモンストレーションが行われました。
安河内さんの解説に、メモを取りながら聞き入る参加者の姿も見られます。


専属講師の安河内さん

デモ通りに作ると、こんな「ふくしまOneプレート」ができあがります

そして、いよいよ本日のメイン、お待ちかねの「ふくしまの旬を楽しむ『ふくしまONEプレート』」が振る舞われました。
 
「雪下野菜と豚バラ肉のトマト煮込み」と「トマトピラフ&カレーピラフ」がのったひと皿に、
「雪下人参のポタージュ」が添えられます。


「雪下野菜と豚バラ肉のトマト煮込み」と「トマトピラフ&カレーピラフ」

待ちに待った試食タイムです

 
今回振る舞われた「ふくしまONEプレート」には、
会津、中通り、浜通りと福島県内各地で獲れた大地の恵みが詰まっています。
「雪下野菜と豚バラ肉のトマト煮込み」には、会津産の雪下人参と雪下キャベツ、
エゴマ入りの餌で育てたα-リノレン酸たっぷりの「うつくしまエゴマ豚」が、
「トマトピラフ&カレーピラフ」にはお米「天のつぶ」と中通り産「コシヒカリ」、浜通り産の中玉トマトが、
「雪下人参のポタージュ」には、やはり雪下人参、そして会津産の牛乳「べこの乳」が使用されています。
 
食べた感想を聞いてみると、「エゴマ豚の脂がとてもおいしい!」「雪下人参のポタージュの甘さにびっくりしました。」
という声が聞こえてきます。
 
この日のメニューの最後を飾るのは、
福島県のオリジナル品種のいちご「ふくはる香」を使った「ふくはる香いちごミルクプリン」です。
そしてそこにもう一工夫。
ミルクプリンに載せるいちごには、参加者の方それぞれにチョコペンを使ってイラストやメッセージを書いてもらうことに。
「何をかこうかなぁ」とみなワイワイ楽しみながら、チョコペンを走らせています。


想い想いの言葉をいちごに書き込みます

なかなかの力作揃いです

もちろんおいしさも保証付き。
「いちごの味がしっかりしている!」なんていう驚きの声が聞こえてきます。
 
 
おいしい料理をいただいた後は、この日の食材を提供してくれた生産者の方々のメッセージをとどけます。
 
村松さんのナレーションで、
それぞれの生産者の方が震災後、どのような苦難に直面し、そして立ち向かってきたかを、映像を交えて紹介します。
落ち着いた音楽の効果もあって、会場全体がしんみりした雰囲気に包まれます。
 
しかし村松さんにマイクを向けられた生産者の方々からは、元気のいい話が飛び出し、会場も笑いに包まれます。
 
雪下野菜を生産する「猪苗代キャベツ研究会」の土屋睦彦さんは、お米の直販も手がけていますが、
「お客様は震災前より増えました。応援してくれる人が多くて、われわれも今まで通りじゃダメだと言うことで、火事場の馬鹿力的にグイグイ頑張ったら業績がアップしました!」と力強いメッセージを発信。


努力して震災前よりお客さんを増やしたという土屋睦彦さん

同じく雪下野菜を育てている渡部雅幸さん

 
また「とまとランドいわき」の元木寛さんは、
「震災後、安全性が確かめられたトマトなのに、『子どもたちの将来に責任が持てるのか』といった批判を受け、出荷できずに廃棄せざるを得ない時期がありました。
そのとき、収穫したトマトの一部を県内の避難所に無償でお配りしていたのですが、
いまでは『そのときに食べたトマトの味が忘れられない』と言って毎週末、
トマトを買いに来てくださる方もいらっしゃいます。」
と心温まるエピソードを披露してくれました。


浜通りの生産者、とまとランドいわきの元木寛さん

中通りの生産者、ふじた農園の藤田浩志さんは、「ふくしま 新発売。」の情報員でもあります。

 
最後には皆さんに「天のつぶ」やいちごなどのお土産が配られ、
参加者の方々は出口で挨拶をする生産者や福島県職員に温かい声をかけてくださいました。


お土産に配られた「天のつぶ」といちご

参加者の皆さんからの温かい言葉、心に染みました

イベント自体はわずか2時間ほどでしたが、生産者の顔を見て、この2年間のドラマを聞き、そしてその作物を一緒に味わう。
その経験を通じて、会場全体に温かい一体感が生まれたように感じました。


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