の首都圏つながりコラム

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第2回 今の福島を見に行くモニターツアー レポート

2012年10月10日

第2回 今の福島を見に行くモニターツアーのレポートをお届けします。
 
今回も多くの方にご応募いただき、
約30名の方々が首都圏各地、遠くは滋賀県から福島までおいでくださいました。
われわれもハッピを着てお出迎えです!

お出迎えした地域は「フルーツライン」と言います。
福島市の西側に広がる吾妻(あづま)連峰のふもとの14キロメートルにわたる道のことで、
この付近には果樹園が広がり、果物の購入や果物狩りができます。
皆さんが訪れたのはその中の「みちのく観光果樹園」。
こちらで「さくらんぼ狩り」を体験して頂きました。

説明してくださったのは「みちのく観光果樹園」社長で「福島市観光農園協会」会長も務められている片平新一さんです。
 
まず現状についてお話がありました。
昨年度は3つある観光向け「さくらんぼ果樹園」のうち1つしか開園する必要がなかったそうです。
今年度は3つのうちの2つを開園する程度には人手が回復したそうですが、
風評被害による観光客の減少がいかに厳しいものだったかを物語るお話です。

みちのく観光果樹園では、樹木1本1本を高圧洗浄機で洗い流し除染をはかる一方、
より放射性物質の影響を少なくしていける方法を
国・自治体・JA・生産者など関係各位で協力しながら模索していくとのこと。
「何年かかろうと元に戻す。」その言葉には強い決意が込められていました。
 
そして、お待ちかねのサンクランボ狩りタイム!
美しく色づいたサクランボの品種は「佐藤錦」。
シーズン中ごろを過ぎ、まさに最も甘い時期でした。
次々に樹から手に取りほおばる皆さんからは「美味しい!」「甘い!」と感動の声。
「皮が柔らかくて、今まで食べたサクランボと全然違う。」との感想もありました。

ツアーに参加されたある方がおっしゃっていました。
福島には何度か訪れていたのですが、
震災・原発事故以後はあまりにも悲しすぎて訪れることが出来なかったそうです。
でも、「以前と変わらない景色で、そしてみんなが一つになっている気がしてとてもうれしかった。」と。
確かにこのことは、実際に福島に訪れて頂き、
そして目にして頂いて初めて実感して頂けることかもしれません。
 
片平さんにお話を伺った際におっしゃっていたこと。
「震災をバネに、新しいこと・やりたかったことをやりたい、色々やって“にこにこ”生きないと。」
その言葉には、これからの福島に生きる上で大事なことが詰め込まれている、そう感じました。
 

続いて訪れたのは、豊かな自然景観のもと、
その四季折々の景観や伝統工芸、農産物を楽しめる公園施設「四季の里」の中にあるお食事処、
憩いの館「いなか亭」です。
こちらで昼食となりました。

こちらの「いなか亭」は、主に福島県内で生産された食材を使用し、福島の食文化と「農」を通じたメッセージ発信をコンセプトにした施設です。

まず、JA新ふくしま食品課の安部課長より挨拶がありました。
地元産を中心に、あまり手をかけすぎずに素材を生かした調理を施しているとのこと。
原発事故の影響で使用できない県内産食材はあるものの、
「全て検査済みの食材を利用し、今後とも福島の農業を守っていく。」という、力強いお言葉がありました。

会津産のそば粉を利用したそばや、県内産野菜をふんだんに使ったかき揚げなど、
素朴ながらもしっかりとしたその味わいに、参加者のみなさんは舌鼓を打っていました。

「いなか亭」の向かい側にはアイスクリーム屋もあり、福島県の農作物を使用したものも販売していました。
この時期は県産のブルーベリーを使用したもの。さわやかな味が食後に最高でした。
 
こういった農産物だけでなく、
ツブガイやタコなどの試験操業が始まった豊かな魚介類も、食卓を飾れる日が早く来ることを願うばかりです。
 
満腹になった後に向かったのが、
「吾妻の駅 ここら」に隣接する、JA新ふくしまの「庭塚モニタリングセンター」。
福島県内においては、
自治体による放射性物質モニタリング検査のほか、出荷時点でも検査が行われるダブルチェックが浸透しています。
こちらで、その検査の現状の説明と、実際に検査を行っているところを見て頂きました。
 
まず、福島県農林水産部の職員より、福島県の検査体制について説明がありました。
すでに2万件以上の検体を検査していることや、米の全量全袋検査を実施予定のこと、(※イベント実施当時)
普段の食事を丸ごと一食検査することにより、
実際の食事における放射性物質の含有量の検査をすることなどの説明に対して、
参加者の皆さんは熱心に聞いていらっしゃいました。
 
続いて、JA新ふくしまの今野さんより、JA新ふくしまにおける検査体制について説明がありました。
JA新ふくしまにおいては、自信を持って販売を行えるよう、安全を自ら確認する検査を行っています。
万が一、基準値を超えた或いはその半分以上放射性物質が含まれた検体が出た場合には、
速やかに県に申し出て詳細に検査を行い、
基準を超えるような農作物が皆さんのもとに届かないよう対策が取られています。
対象はすべての生産者のすべての圃場における生産物であり、
当然検査をクリアしたもののみを店頭に並べています。

その状況を実際に見るために、参加者の皆さんはモニタリング検査を行っている部屋に向かいました。
 
検査室に入ると、「全品目・全戸検査実施中」の張り紙のもとに、検査機がずらり。

こちらの検査機は1台数百万するもので、
30分で放射性ヨウ素・放射性セシウムを検出下限10ベクレルまで検査できるそうです。
検査するためには農作物の可食部を1キログラム切り刻み、写真のような容器に詰める必要があります。

大変な労力ですが、こちらでは農家の方々に事前に切り刻んでくるようお願いしているそうです。
確かにその方が検査する上での労力を低減することができますね。
 
検査結果がパソコンの画面上にグラフとして表示されることが説明されると、
皆さん食い入るように画面をのぞいていらっしゃいました。

原発事故にかかわらず食品に元々含まれている放射性カリウムが表示されている所を指さし説明すると、
普段から放射性物質が身近にあったことに驚かれたのか、びっくりしていらっしゃる方もいました。
 
その後質疑応答となり、
「検査のために切り刻んだ食材がもったいない、何か有効利用できないか。」というご意見や、
「少量多品種で栽培されている農家にとって1キロの検体提供は負担が大きすぎるのでは。」というご意見もありました。
「大葉は1キロも食べないよね。」というご意見もあり、こういった声を活用させていくことができればと感じます。
 
検査の上で何が大変かという話になると、“匂い”とのこと。
確かに室内は凄い匂いです。
何とも運のいいことに?!今日の検体は「ニンニク」と「ニラ」。
自分が餃子になった気分でした。
 
 
検査場を見学後、みなさんが向かったのは農産物直売所「ここら」。
みなさん笑顔で楽しそうにお買い物をされていました。
帰り道、重くて大変なのでは?と思うくらいお買い求められていた方もいました。

実際に検査施設をご覧になって、
しっかりとした検査がされているということを目の当たりにされたということも大きいかもしれませんね。
もっと多くの方に実際の検査を知って頂ければと思います。
 
 
強行日程で疲れた体をいやすために最後に訪れたのは、高湯温泉。
あたり一面に硫黄のにおいが立ち込める、秘湯マニアも足しげく通うといわれる名湯です。
震災後も湯量などに影響はなかったそう。
元気いっぱいに営業している姿を見せることが、
風評被害払拭の鍵ではないかと、高湯温泉観光協会の永山さんからお話がありました。

その後、共同浴場「あったか湯」の湯船に向かった皆さん。
入浴後の様子はまさしく体の芯から温まったというおもむき。
「肌もつやつやになった。」とおっしゃっていました。
 
参加者の皆さんの顔は笑顔であふれ、ツアーを堪能して頂けたようでした。

福島県は、豊かな自然に育まれた農作物にあふれ、
それぞれの季節の姿の移り変わりも本当に美しいです。
是非全国の皆さんにおいでいただき、福島が元気であることをその目でご覧いただければと願ってやみません。
 
福島は元気です!


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