野菜ソムリエ 藤田が行く!

やっていると何とかなる ふくごはんプロジェクト 料理家 本田よう一さん

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※「ふくごはん」の「ふく」は「福島」の「ふく」。そして、もう一つの意味は、「幸福」の「ふく」です。ふくごはんでは、幸せや笑顔を増やす美味しいごはんのレシピを紹介しています。
(「ふくごはん」HP(http://fuku-gohan.net/)より)

 

オレンジページ誌をはじめとした料理関係の雑誌・書籍に数多く登場していらっしゃり、最近ではNHKの「きょうの料理」にも出演されている料理家の本田 よう一さん。
本田さんは福島県の南部に位置する泉崎村のご出身です。現在は東京を拠点としながらも頻繁に福島を訪れ、“食”の伝道師としての活動をされています。
そんな本田さんが震災をきっかけとし活動を開始したのが“ふくごはん”。今回は、“ふくごはん”と本田さんの“食”に対する思いをお聞きしました。
 

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やっていると何とかなる

本田さんは栄養士の資格もお持ちで、最初から料理家の道を目指していらしていたのかと思いきや意外な返事が。
 
「料理家という存在自体そもそも職種として認識すらしていませんでした。栄養士という資格も、介護士として働いている母からいろいろと話を聞いて“介護系の仕事は伸びる”と思い、その方面の求職のために取得したものです。」
 
と本田さん。しかも
 
「社員食堂などで栄養士業務をしながら働くというイメージだったのですが、自分は会社員向いてないなーと。
昔から写真が好きだったので、ブライダルやアーティストのライブ写真などカメラマンとしても働いていました。」
 
そこで転機が訪れます。
 
「写真の師匠が人を撮ることがうまい人で、その師匠から“お前人撮るの下手だな”と言われてしまって。
じゃあ“料理が好き”だし、料理専門のカメラマンになろうと思い立ち、機材を購入してバイトをしながら料理の写真をたくさんの会社に送りました。」
 
その数なんと、1か月で30社以上!1年半も色々な会社に写真を持って通われたそうです。
 
「最初のうちは“けちょんけちょん”だったんですよ。それでも諦めずに持っていくうちに、オレンジページさんに評価してもらえて少しずつ軌道に乗りました。」
 
この時に、料理家としての経験を積んだのだそうです。

 

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「写真を見てもらうときに、料理を作ってお土産として持って行くことを繰り返していました。自然と料理家としての経験値を積むことが出来たのです。」

そして徐々に料理家としての仕事が増え、地元福島県の仕事も増え、さあこれからというときに東日本大震災が起きました。
 
「やっていると何とかなる、という先輩たちの姿を間近に見ることが出来たのが、人生のターニングポイントでした。もしこの経験が無かったらば、“ふくごはん”にもチャレンジしていなかったかもしれません。」

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“ふくごはん”が“おふくろの味”に

とはいえ、いったい何をすればよいのか迷う日々が続いたそうです。そのような時、ある出会いがありました。

「福島のことを何かしたいけれど・・・そう思っていた時に出会ったのが、南会津の酒蔵“花泉酒造”の脇坂さんでした。僕が料理家としてレシピをつくったとしても野菜は絶対必要だし、同じように、花泉酒造でもお酒を造ろうと思って米が無いと酒が出来ない。
農家さんや漁師さんがいないと何もできない、だからその方たちのために何かしようと思ったのです。」
 
そこで生まれたのが“ふくごはん”プロジェクト。本田さんが考えたレシピで福島の食材を使い、実際に料理をしてそのレシピに合わせて福島の酒を提案、その写真をウェブ上で紹介しました。
それだけでなく、その食材を提供してくれた方々を紹介していく。継続的に少しずつ続けられてきたこの活動は、今では地元メディアでレギュラーを張るなど大きく花開いています。ただ、メディアに取り上げてもらうこと以上に、“ふくごはん”がもつ意義があるのです。

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「“ふくごはんの味”が“おふくろの味”のようになってくれたらいいなと。
例えば、単身赴任等で同じ食卓を囲めなくても、ふくごはんのホームページを見て同じレシピで料理して食べるとか。離れていても思いを共有できるのではないかと思いました。」
 
“ふくごはん”のホームページをのぞいてみると、本当においしそうな料理がいっぱい!
福島出身の料理家が福島の食材でレシピをつくる、料理人だけでなく、生産者や関係者の思いも繋いでいく、“ふくごはん”の良さはまさにそこにあるのです。

ひとりひとりを掛け算すると凄いことが出来る。

本田さんは次の試みとして、“ふくごはん”をきっかけに集った生産者や食に携わる方々をつなぐ活動をスタートさせました。
 
「ふくごはんという媒体を通じて、みんなをつなぎ、大きな力にしたかった。
そういう関係が出来れば、誰かがどこかが困っていたら駆けつけられる、何かができる。
ぼくができることはごはんをつくることだけです。でも、みんなの力を掛け算すると凄いことが出来る。

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今回のイベントでは食器も県内の作家さんにお願いして準備しました。生産者の方は、美しい器に自分の生産したものが料理されていることがうれしいし、作家さんも自分の器に料理が盛ってあることがうれしいのです。
そういった機会を作りたかったのです。」

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「たくさんの方に料理を好きになってほしいんです。料理を好きにならないと、食材にも 食器にも、調味料にも興味が持てない。
でも料理を好きになればそれらのことも好きになれるし、もっと好きになれば生産者やその土地のことを知ることが出来て、それも好きになるんです。」
 
人を引き付ける本田さん。
“ふくごはん”が今後、より素晴らしいものになっていくのだろうと感じました。

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ふくごはんプロジェクト
http://fuku-gohan.net/


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