おいしい ふくしま物語

あづましずく

2016年9月14日

「今日は暑いからお茶代わりに遠慮せずに食べて、食べて。」
そうして収穫したての“あづましずく”を惜しみもなく勧めてくださるこの方、斎藤果樹園の斎藤 正美さんはナシとブドウを栽培している果樹農家さんです。

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JA福島さくら果樹部会熱海支部ぶどう部会の部会長も務められている斎藤さんから、
 
「この少し赤みがかかっているものは少し収穫が早い、だから酸味が強めなんですよ。こちらの深く黒みがかっているものが完熟しているもの。酸味が控えめで甘さが凄い。」
 
そうご説明いただいて、いざ食べてみると話通りの味です。

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「完熟したものは食べてみた通り非常に甘みが強くておいしいでしょう。でも熟しすぎると脱粒といって実が軸から離れやすくなってしまう。そのギリギリのところを狙って収穫するんです。」
 
と話される斎藤さん。その斎藤さんに福島県オリジナル品種のブドウ“あづましずく”についてのエピソードを中心にお話をうかがいました。

お盆の贈答にあげられるものを

斎藤果樹園は県内有数のナシの生産地である郡山市熱海町にあります。先代から70年ほども続く果樹農家として主にナシを生産してきました。しかし、食生活が豊かになるにつれ手軽に食べることが出来るブドウなどが好まれるようになるなど、徐々に状況が変化していきました。
斎藤さんがブドウの生産をスタートさせた理由を伺うと、

「“あづましずく”はナシのためにしつらえた棚を再利用することができるというところが魅力的でした。」

しかし、斎藤さんにとってはそれが最大の理由ではありませんでした。
 
「お盆の時に郡山に帰ってきた親せきや知り合いにあげるものがない、ナシもまだだしブドウもその頃にあげられる品種がなかった。

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そのときに“あづましずく”はお盆に出荷できるということで、これだ!と思ったのが最初のきっかけです。」
 
と微笑まれたのです。

 

「その時期にここまで美味しいブドウ品種はほとんどなかったので、大変好評でした。美味しいという話が口コミで広まって、希望される方が多くなり、なかなか手元に残りません。贈答用でほとんど無くなってしまうので、市場出荷して欲しいといわれてもなかなかできないんです。」と斎藤さん。
 
まさに“あの人の笑顔”のためにというお客様本位の姿勢が、斎藤さんからひしひしと伝わってきます。

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「震災後は、ナシの価格が大きく下落するなど大変でした。でも“あづましずく”に関しては売り上げが減ることはありませんでした。検査体制も整って安全性が確認されていたこともありましたが、庭先販売が中心で顔が分かっている人たちばかり、信頼関係があったおかげだと思います。」
 
そしてなによりも、と一言。
 
「美味しいものは関係ない。」
 
その一言に自信と誇りが溢れていました。

取材中、常連のお客様がいらっしゃいました。

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「今日ここに来ると友達に言ったら、私もと言われたから追加で2箱お願い。」
「なんだべ早く言ってくれたらいいのに。今から取ってくっから。」
 
と軽妙なやり取り。そのやり取りから、お客さんはブドウを買いに来ているのではなく、“斎藤さんの美味しいあづましずく”を買いに、斎藤さんに会いに来ているのだと感じました。

“福島の美味しさ”の象徴に

斎藤さんは“あづましずく”の魅力についても話をされました。
 
「味も抜群でお客さんの評判も良いということで、やりがいが増しました。お客さんが喜んでくれる姿を見るとますます作りたくなります。それに“あづましずく”は福島県オリジナル。“福島の美味しさ”の象徴にもなると思います。」

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売り上げが上がるというだけではなく、農家の意欲が増すという内的な面、そして福島県オリジナル品種の取組のシンボルとしての外的な面、“あづましずく”がもつ魅力に改めて気付きました。
 
斎藤さんは最後に、

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「最初はナシに比べれば作業が楽になるかと思ったんですが、とんでもない。そのままにしておくと実がなりすぎて割れてしまうので、ある程度実を摘み取る“摘粒”という作業をするのですが、それが大変で。そのほかの作業も技術が必要で難しいんです。でも“なくさんにぇ(無くすことはできない)”との想いで、栽培しています。お盆の時期では抜群に美味しいので、次のシーズンには、ぜひ食べてください。」
 
とみなさんにメッセージをくださいました。
 
取材を終えて帰路につこうとするところに、斎藤さんのお孫さんがいらっしゃいました。
 
「友達がブドウ欲しいっていうんだけど、いくらかな?」
 
斎藤さんは笑顔で対応。みなさんで写真をというとお孫さんは少し恥ずかしそうにされましたが、おじいちゃんのブドウの樹の下での写真はとてもうれしそうに見えました。

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(写真左から 斎藤 正美さん、お孫さん、ブドウを求めにいらっしゃったお孫さんのご友人)

手に取ってくださる方の笑顔のために全力を尽くす福島県の生産者の想いと、果樹王国福島が威信をかけて送り出した抜群に美味しい“あづましずく”の組み合わせが生み出す力強さに感激しました。
自信をもっておすすめします!福島の“あづましずく”!
 
斎藤果樹園(お問い合わせ)TEL 080-3194-5411
             FAX 024-984-5082

(記事:コッシー情報員)


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